債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは債権者は、これによって生じた損害賠償を請求することができる
債務者の責めに帰すべき事由(じゆう)によって履行をすることができなくなったときも、同様とする
民法415条 債務不履行による損害賠償
事例
Xは自己所有の宝石をAに売却し、Aは代金を払った
Xはその後、同一の宝石をYにも売却して、宝石を引き渡した
Xはその後、同一の宝石をYにも売却して、宝石を引き渡した
問題点
宝石が一つしかないのに売買契約を2つしていること
結論
物権
Yが宝石の引渡しを受けているので宝石はYのもの
債権
XA間の売買契約とXY間の売買契約はいずれも成立する
XY間の売買契約は約束どおり履行されたので両者の関係は終了します
XA間の売買契約の場合
Aは代金を支払っているのでXに対しての代金支払請求権は履行されています
Xは宝石を渡していないのでAに対しての引渡し請求権は履行されていません
引渡し請求権だけが残ってしまうことになります
しかし、Yに宝石を渡しているので、Xは宝石がありません
約束を果たすことができないので債務不履行となります
Aは債務不履行があったので、Xに対して損害賠償の請求をすることができます
債務不履行により引渡し請求権が損害賠償請求権にかわります
Yが宝石の引渡しを受けているので宝石はYのもの
債権
XA間の売買契約とXY間の売買契約はいずれも成立する
XY間の売買契約は約束どおり履行されたので両者の関係は終了します
XA間の売買契約の場合
Aは代金を支払っているのでXに対しての代金支払請求権は履行されています
Xは宝石を渡していないのでAに対しての引渡し請求権は履行されていません
引渡し請求権だけが残ってしまうことになります
しかし、Yに宝石を渡しているので、Xは宝石がありません
約束を果たすことができないので債務不履行となります
Aは債務不履行があったので、Xに対して損害賠償の請求をすることができます
債務不履行により引渡し請求権が損害賠償請求権にかわります
語句の意味
物権と債権…物権は物に対する権利 債権は人に対する権利
物権…物に対する排他的な支配権
債権…特定の他人に対して一定の行為をすることを請求する権利
排他的とはその人以外にの誰のものでもないと言うこと
債権債務関係…債権者と債務者の関係のこと
債務不履行…債務者が債務の本旨に従った履行をしないこと
契約…相対立する2つ以上の意思表示の合致によって成立する法律行為
物権…物に対する排他的な支配権
債権…特定の他人に対して一定の行為をすることを請求する権利
排他的とはその人以外にの誰のものでもないと言うこと
債権債務関係…債権者と債務者の関係のこと
債務不履行…債務者が債務の本旨に従った履行をしないこと
契約…相対立する2つ以上の意思表示の合致によって成立する法律行為